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梅毒の原因菌であるトレポネーマはなぜ性交で感染するのか

2019年11月04日

梅毒の病原菌は血液中に含まれるので、輸血や病原体が傷口に触れることで感染をする恐れがあります。ただしほとんどの患者は、第1期または第2期にしこりや粘膜などの病変部位に性行為や疑似性行為などで接触をする際に感染をしています。梅毒が性行為で感染する主な理由は、原因菌である梅毒トレポネーマは低酸素状態でしか生存ができないことに起因しています。

梅毒トレポネーマは細長い螺旋状の細菌で、長さは6~20µmです。この細菌は低酸素状態でしか生存することができないため、空気中ではすぐに死滅してしまいます。そのため、病原菌を試験管内で培養をすることができません。また、風邪・インフルエンザ・ノロウイルス・結核などのように飛沫や空気感染をすることがありません。

梅毒トレポネーマの宿主はヒトのみで、他の動物の体内では増殖をすることは不可能です。うさぎの睾丸内で培養をする方法がありますが、空気中に取り出すとすぐに死滅することから病気のメカニズムは不明な点が多いです。ちなみにうさぎの睾丸でのみ培養ができる理由についても、はっきりとした理由は不明です。

梅毒トレポネーマには生存に必要な栄養素を合成するための遺伝子を持っていないため、限られた環境下でしか生存をすることができません。低酸素状態であればある程度は生存が可能ですが、宿主(ヒト)の体外では数日間も生きることができません。これに加えて増殖に長い時間がかかり、数が2倍になるのに30時間を要します。

梅毒トレポネーマは感染者の血液以外にも分泌物に多く含まれますが、体外(空気中)に排出されると速やかに死滅します。このため、病原菌が付着した物に触れたり、くしゃみなどの飛沫によって他の人に伝染することはありません。他の人に感染をするためには、梅毒トレポネーマが生きた状態を保ちながら他の宿主の体内に侵入する必要があります。梅毒トレポネーマが空気に触れずに他の人の体内に入ることができる経路として、分泌物や粘膜が直接触れる性交があります。稀に傷口に触れることでうつる可能性はありますが、ほとんどの場合は性交によっての感染であると思われます。

風邪やノロウイルスは飛沫感染をすることがありますが、梅毒の場合は病原菌が空気中で死滅するので日常生活では他人に伝染する可能性は非常に低いといえます。梅毒は粘膜や病変部が直接触れる性交によって伝染するケースがほとんどで、性病のひとつとして知られています。

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